能の主役はシテですから、ツレやワキ、間狂言に至るまで、シテがどのような模様で、どのような色の装束を着るのかを確認し、シテを引き立てるように配慮しつつ、自分たちの装束を決めます。
また、シテと諸役の関係だけではなく、ワキと間狂言なども、曲想や当日のシテ方の扮装に配慮して装束を決めています。ただし、シテ方、ワキ方、狂言方は職掌が別なので、事前に何を着るかを相談することはほとんどありません。ですから、ワキや間狂言の役者は、当日の楽屋に装束をいくつか持参し、何を着用するかをその場で選ぶことが普通になっています。同日に同じ舞台で演じられる、他の演目の装束とも重ならないよう配慮します。
面に関しても、 ツレの面は、ほとんどの場合、シテの面が決まってから決められています。