それぞれが正面を向いて演奏する囃子方同士が、互いの進行を確認するのに必要なのがかけ声です。基本的には、拍子毎に「ヤ」「ハ」「ヨーイ」「イヤー」という4種類のかけ声があり、曲の雰囲気により発声の強弱や調子を変えながら多彩な表現がなされています。
このかけ声は、囃子方同士だけではなく、演者にとっても演技の合図として大切なものです。ただし、かけ声をもとに囃子方や演者が、「合わせて」舞台をまとめていくのではなく、相手の意図する表現を把握し、それに自分の表現をぶつけていくことで、緊張感をはらんだ一期一会の舞台が作られます。