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能楽トリビアTrivia

日本が誇る伝統芸能とはいえ、実際に能楽堂に足を運んで観賞経験のある日本人はまだまだ一握り。そんな能未体験者や初心者が覚える疑問や驚きの質問に、The能ドットコムがお答えします。

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Question159 慣用句「いざ鎌倉」はお能から生まれた?(2019年12月25日追加)

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引退した偉人が身分を隠してあちこち旅をして、報われない人を助ける──。こんな「水戸黄門」を連想させる「鉢木はちのき」という能の演目があります。

上野国(群馬県)の佐野に住む貧しい武士が、旅の僧をもてなすため大事な鉢植えの木を薪として焼いてしまう。武士は僧に向かって、今でこそ零落しているが「いざ鎌倉」の時は主君のもとへ真っ先に駆けつけるつもりだと語りかけます。

僧の正体は、当時の鎌倉幕府の最高権力者=執権をつとめた北条時頼。執権をやめ出家して最明寺殿(最明寺入道)と呼ばれるようになってから、諸国を漫遊したという伝説の持ち主です。作中では、後に時頼が実際に召集号令をかけ、言葉通り鎌倉にやってきた武士に土地を与えてハッピーエンドを迎えます。

「いざ鎌倉」は、緊急事態に際して“やってやるぞ”などと発奮した時に使われる慣用句。鎌倉時代、幕府に一大事があれば“いざ鎌倉に馳せ参じよう”との心意気を武士たちが抱いていたのが由来とされます。

実は「鉢木」に「いざ鎌倉」という文言は出てきません。しかし鎌倉武士の心情を描いた作品として大変な人気を博し、歌舞伎などにも翻案され民衆の間にすっかり定着しました。そのせいか、この慣用句の出典として説明されるのが一般的です。

また、「いざ鎌倉」と同意に「すわ鎌倉」という言い方があります。そこから、「酒は灘、醤油は野田、酢は?」という問いの答えが「すわ鎌倉」となる謎かけも生まれたようです。


イラスト:坂木浩子
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「能楽トリビア」は作成にあたってこちらの文献を参考にしています。


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