能の音楽は、
地謡は、シテ方によって務められ、能舞台では、地謡座と呼ばれるスペースに前後2列に座って務めます。後列中央部の謡い手の一人が「
謡には西洋音楽のような絶対音階はありません。調律も、シテや地頭によって決められるという、柔軟性のある声楽です。地謡方は複数の人数が務めますが、西洋音楽の合唱のようにハーモニーを形成することはありません。音高はそろえますが、各自の声で謡います。地頭は、トーンを整え、タイミングをはかり、全体を統制していきます。
謡のリズムは七五調の12文字を一文として、八拍子に当てはめて謡います。「平ノリ」が、謡の標準的なリズムです。平ノリより早いリズムを「中ノリ」、遅いリズムを「大ノリ」といい、この3つを「
謡の歌唱法としての吟型は、厳粛で勇壮な曲調の「