貧窮の足しに身を売ったわが子、桜子(さくらご)の別れの手紙。母の思いは乱れ、涙は尽きない。 島原春京 狂女と化した母は、郷里、日向の里を出てわが子を探す旅を続ける。 佐々木宗生 3年後。狂女は常陸国(茨城県)磯辺の桜川のほとりにいた。 島原春京 春爛漫の桜の季節の桜川。桜子を思い、花びらさえも掬わずにはいられない。 梅若万三郎 花見の僧に女は身の上を語る。やがて風が出て桜は川面を埋め、女の狂乱が激しくなった。 野村四郎 桜の散るのが恨めしい。散れば風を誘い、風は花を散らす。その花をすべて掬い取ろう。 内田芳子 いくら掬っても、この桜はただの花。ひたすら、私の桜子が恋しくて、恋しくて。 渡辺容之助 女は僧と一緒に来た少年に会う。面差しは変わっていたが、紛れもない、桜子、桜子よ。 渡辺容之助、亀井雄二ほか [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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