初春の頃。九州阿蘇神社の神主である友成は、都への旅の途上、播州高砂の浦を訪れた。 宮島・厳島神社 入相の鐘が響く夕べ。春風のなかに、清らかな雰囲気の老翁と姥が、相伴って現れた。 武田喜永、登坂武雄 松の木陰を掃き清める老夫婦に、友成は名跡・高砂の松を尋ねた。 山井綱雄、金春信高、他 老夫婦は、ここ高砂と、海を隔てた住吉の、それぞれの松を「相生の松」と呼ぶ謂われを語る。 観世清和 老翁は、常緑に栄える松を称え、今の世、和歌の道の栄えに連なるめでたさの由緒を深く語っていく。 梅若万三郎 落葉を集めてみせながら、「松は暁の霜にも深い緑を保ち、落葉も尽きることはない」と……。 金春安明 賛美し、世を祝福する。相生の松の精であることを明かした老夫婦は、老翁の地、住吉で会おうと言って船出した。 粟谷菊生、他 後を追って住吉に来た友成の前に、青壮の男体の姿で、住吉明神が現れる。 金春欣三 月澄む春の夜半、霊験を現して、清々しく神舞を舞う住吉明神。 浅見真州 袖を翻すたびに、あたりに清浄な気が満ちて、彼方へ広がっていく。 宇高通成 宮島・厳島神社 舞の手で悪魔を払い除け、千秋楽、万歳楽を舞っては、人々の長寿を導き、幸福を招き寄せる。 清水寛二 舞とともに吹き抜ける松風の、颯爽とした声を楽しむ。 香川靖嗣 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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