藤の名所、越中国多祜の浦の岸辺で、旅僧は美しく咲く藤を見て、古歌を口ずさむ。 野口敦弘 古歌は藤を讃えるものではなかった。女が現れてそれを咎め、藤を賛美する歌を引いた。 金剛巌 昔を知る女を不審に思い、僧は「あなたは誰か」と問う。女は、藤の精と明かし、姿を消した。 金剛巌 夜半、湖のほとりでまどろむ僧の前に、藤の精が現れた。 金剛巌 垂れ下がる藤が湖水に映る美景の中、藤の精が舞う。 梅若万紀夫 ゆっくりと静かに、夢幻の時が過ぎてゆく。 観世喜正 袖を翻す舞姫の姿は、紫の香気を放つかのよう。 観世銕之丞(暁夫) やがて来る夜明けの刻。朝日に照り映える霞の中に、藤の精は消えていった。 吉井順一 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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