盲目の皇子、蝉丸(せみまる)は、輿に乗せられ、都のはずれ、逢坂山に連れてこられる。 桜間金記、野口敦弘、他 蝉丸は、父の天皇から捨てられたのだ。 粟谷新太郎 嘆く廷臣の清貫(きよつら)に、試練を経て良い後世を、と思う親の配慮だとなだめ、蝉丸は出家の身となった。 観世栄夫 華やかな宮廷生活から、わずかな身の回りの品と、琵琶(びわ)だけを持って慎ましい暮らしへ。 友枝昭世 蝉丸の姉、皇女の逆髪(さかがみ)は狂人となって、辺地をさ迷っていた。 野村四郎 心乱れるままに、秋色に染まる花の都を出て、東へ向かう。 金春欣三 水鏡に影を映せば、髪の逆立つ浅ましい姿。我ながら驚く。 香川靖嗣 やがて逢坂山に着いた逆髪は、琵琶の音を聴きつけ、みすぼらしい藁屋に弟の蝉丸がいると知る。 豊嶋敬三郎、豊嶋一喜 思いがけない再会を喜びつつも、互いの不遇な身の上を嘆き、慰めあう。 野村四郎、観世栄夫 けれど、いつまでもそうしてはいられない。尽きせぬ名残りの涙に暮れて、ふたりは別れていく。 豊嶋敬三郎 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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