京都・清水寺で、観音様に向かい、一心に祈る女。「行方不明のわが子、千満(せんみつ)に逢わせてください」 今井泰男 母は微睡み、霊夢を見る。それを近くの人が占った。「近江国・三井寺へ行けば子に逢える」 観世左近、野村万之介 三井寺で千満は僧の弟子になっていた。僧は千満らを伴い、中秋の名月を愛でに庭に出る。 宝生弥一、武田友志、他 その頃、母は三井寺への道を急いでいた。 喜多六平太 いつしか物狂いとなった母。際どく道を駆け、三井寺へとたどり着く。 近藤乾之助 三井寺で下働きをする能力(のうりき)が、夜の時を知らせる鐘を撞く。 山本則重 鐘の音に聞き惚れた狂女(母)は、自分も撞こうとする。 髙橋章 僧たちの制止を振り切って、鐘を撞く。 近藤乾之助 清らかな鐘の音は、狂女の迷いをも、ほどくよう。 観世左近 澄む月影に、鐘の音がさえざえと響き、やがて狂女は、鐘のさまざまな話を語りだす。 髙橋章、他 狂女の語りに、千満は母と気づき、ふたりは喜びの再会を果たす。これも鐘の縁。 梅若万佐晴、他 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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