夜の仁和寺。燈火のなか、平家の公達、平経政(経正)の亡霊が姿を見せる。 桜間右陣 経政は一の谷の合戦で亡くなっていた。縁深き仁和寺での法事によせて現れた。 金剛巌 すべてが懐かしい。慣れ親しんだ青山(せいざん)の琵琶も見える。 観世銕之丞 僧の行慶(ぎょうけい)は、琵琶の名手であった経政のため、音楽による法事を行っていた。 武田喜永、植田隆之亮 月影のもと、優雅に過ごした日々を振り返り、管弦の遊びに興じる。 武田喜永 さまざまな琵琶の音色に思いを馳せる。 墨敬子 面白い、面白い。この夜の遊びの刻と離れがたく、名残惜しいよ。 観世栄夫 一転、怒りの心のまま、戦いに狂うあさましい姿に変わる。 後藤得三、野口敦弘 ああ、恥ずかしい。その姿を見られまいと燈火を消し、亡霊は闇へ去っていく。 松井彬 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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