平家全盛期。謀反の罪で南の島に流された3人のうち、ふたりを赦して都に戻す赦免使が立てられた。 森茂好 流刑の地は、薩摩国の南方の絶海の孤島、鬼界島。高名な僧、俊寛(しゅんかん)も流されていた。 粟谷菊生 俊寛は、流人仲間の藤原成経(ふじわらのなりつね)、平康頼(たいらのやすより)に、「酒」と称して、谷川の水を注ぐ。 藤村健、鈴木啓吾、坂真太郎 華やかに過ごした都の暮らしを懐かしみ、舞いの手を上げても、心は沈む。 津村礼次郎 赦免使が着き、罪人たちは赦されて喜ぶ。だが、赦免状に記されたのは成経、康頼の名のみ。 関根祥六 我が身のみ、孤島に独り残される。悪夢よ、覚めよと書状を放る俊寛の、哀れな姿よ。 宝生英雄 船出の刻が来た。一緒に連れて行ってくれと、俊寛はなりふり構わず康頼の袂に縋(すが)る。 宝生閑、武田尚浩、関根祥六、他 同志は皆、舟上の人となり、頼みの綱と縋り付いた纜(ともづな)も切られてしまった。 関根祥六、他 渚にひれ伏し俊寛は、声を惜しまず泣きわめく。やがて舟影も人影も、波間に遠ざかっていく。 粟谷菊生、他 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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