修行の僧のもとに深草少将と小野小町の亡霊が現れる。亡霊となってなおも袂にすがる、深草少将の想いを、小町は振りほどく。 梅若恭行、梅若靖記 小町は深草少将に、百夜通えば想いを受けると請合った。弔いを受けたい女に、煩悩のまますがる男となって、今は共に涙する。 金春晃実、金春穂高 僧の前で、ふたりは百夜通いを再現する。人目を憚る小町に、牛車での訪問を禁じられた深草少将は、蓑笠の風体で闇を往来する。 金春晃実 月夜ばかりではない。袖の雪を払うこともあった。雨に打たれる闇夜に笠を見失い、鬼に喰われるかとも思った。 狩野丹秀 小町が待っていたのは、私ではなく、月であったのだろう。偽りの言葉が身にしみる。 観世元昭 刻んだ日にちを数えれば、ああ、九十九夜。あと一夜。身ずまいを整えて立つ深草少将はどのような日を迎えたのか。 清水寛二 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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