平家の公達、平宗盛の愛人、熊野(ゆや)は、侍女・朝顔の届けた手紙で、故郷に残した母の病の深刻さを知る。 友枝喜久夫 手紙に託された思いを宗盛に訴え、暇を願う。 宝生弥一、他 今生の別れの前に一度なりとも会いたい。母の哀願は熊野の切迫した願い。思いを込めて手紙を読み上げた。 富田雅子 母の身を案じる思いの深さが、涙となって押し寄せる。 富田雅子、三吉徹子 宗盛は熊野の帰郷を許さず、花見をすれば慰めになるだろうと、牛車に乗るよう強いた。 渡辺三郎、森茂好 気乗りしないままに、色めく春の清水寺界隈に出かける。 浅見真高、西村高夫、工藤和哉、他 そこは花盛りの九重の都。人々は皆、華やいだ衣装に身を包み、明るく楽しげである。 片山九郎右ヱ門 けれど熊野の心は塞ぐばかり。何を観ても母の身が案じられ、憂いは胸に迫る。 観世喜之 酒宴半ば、落ちかかる村雨が花を散らした。 関根祥六、武田宗和 散る花が、母の身の上と重なって、そのままに捨て置けず、受け止める熊野。 松野恭幸 熊野の優しく強い思いは、宗盛の心を溶かす。やがて許され故郷へ、東路をたどる。 大村定 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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