在原業平と紀有常の娘の、夫婦が暮らした大和国石の上(いそのかみ)の地。旅僧の目に映じたのは、昔日の面影もない在原寺。 宝生閑 暁ごとに御仏に、捧げる水を携えて、女がひとり。たずねれば、奥ゆかしくも業平には縁のない者と語るのだが。 桜間金記 「風吹けば沖つ白波」の歌で、業平と有常の娘との情愛を物語り、幼い二人の恋物語を、「筒井筒、井筒にかけしまろが丈」の歌にて語る。 桜間金記 歌に込められた真心を、詳しく語る女こそ、「井筒の女」の名をいただく、紀有常の娘。その恋は今なお続くのか。 坂真次郎 薄の穂に紛れた井戸もうら寂しい、秋の夜の在原寺。僧の夢に業平の形見をまとった井筒の女が現われる。 清水寛二 昔を思い返しつつ、静かに舞う。 内田芳子 業平の直衣(のうし)、初冠(ういこうぶり)に、身も心もゆだねた姿は、在りし日の業平か。 高梨良一 業平の面影映る水鏡。 豊嶋訓三 こみ上げる懐かしさ。 坂真次郎 懐かしさを、こらえきれずに。 豊嶋訓三 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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