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ここでは、インタビュー本文でご紹介しきれなかった、山口安次郎さんの魅力的なエピソードを、ご紹介します。 1986年(昭和61年)、英国のチャールズ皇太子とダイアナ妃(故人)のご夫妻が訪日し、京都にもご滞在になった。その折、西陣織の見学にも来られ、安次郎さんは、ご夫妻の前で機織のデモンストレーションを行い、能装束を献上した。 献上品として草木染めの艶やかな柄の唐織を用意していたのだが、ご夫妻は、同時に飾られていた水仙の模様をあしらった唐織の方を所望された。それは、もともとは加賀百万石前田氏より、宝生宗家に伝わったものの復元であった。 なぜその柄を選ばれたのか。長いことわからなかったが、16年後の2002年(平成14年)、日英交流400周年記念事業の“Japan 2001”で英国を訪れたときにその理由を知った。 「私らが行ったんは、春先やったんですけど、ロンドンの街のそこら中に、水仙の花が植わってたんです。英国の冬は長いでっしゃろ。それを越えて、咲き始める水仙は、春を待ち望む英国の人たちに、春の訪れを告げる花やったんですな。水仙の柄を選らばはった気持ちが、時を越えてわかったんです。」 安次郎さんは、そう述懐した。
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