秋の夕暮れ。下野国那須野の原を通りかかった僧、玄翁は、巨石の周りで鳥が落ちるのに目を止める。 茂山逸平、高井松男 「その石に近寄ってはいけませんよ」近くで見ようとする玄翁に、女が声をかけてくる。 喜多六平太 「その石は殺生石といって、近寄る人間も動物も殺してしまう」と女は、切り出した。 香川靖嗣 「昔、玉藻(たまも)の前という美しい宮廷女官がいた」「女官は狐の化け物で、正体を見破られ、この地で狩られた」 豊嶋三千春 「その魂が石に憑いて殺生石になった。その魂こそ、この私」女はそう明かすと、夕闇に消えていった。 喜多節世 玄翁が仏法を授けよう、成仏せよと祈ると、石が割れて野干(やかん)〔狐〕の精霊が現れた。 香川靖嗣 恐ろしげな野干の姿そのままで、 関根伸夫 玉藻の前その人のような、妖艶な女姿で現れることもある。 香川靖嗣 インド、中国、日本で悪事を行ってきたが、ついに那須野の原に追われ、射殺された。 津村礼次郎 殺生石となって人を殺したが、今仏法を授けられ、もう悪事をしないと固い石のような約束を結んだ。 高橋忍 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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