春の京、鞍馬山。僧や稚児の集う花見の席で疎まれた山伏は、一同が去って残された牛若丸(沙那王)を花の名所に誘い、慰める。 橋岡久馬、逸見純一 山伏は、鞍馬の大天狗であると名乗りを上げる。牛若丸に、翌日兵法の奥義を伝えようと告げるや、雲を踏んで消えていった。 梅若万三郎 木の葉天狗が現れ、牛若丸が、大天狗のもとで武芸を極めたと語る。太刀を交えよと言われてきたものの、敵わないと見て退く。 野村万蔵 牛若丸は、師匠の許しを得ないまま、木の葉天狗と立ち合うことを思い留まる。その心がけに感心した大天狗は、中国の故事を語る。 観世喜之、津村正典 漢の高祖の臣下、張良は、兵法の大家である黄石公が、わざと落とした沓を履かせ、師を大切にする心を現し、奥義を受けた。 粟谷菊生 大天狗は、粗野な自分をすら師匠と慕う牛若丸を、張良になぞらえ、平家討伐を思い立つその意気を讃える。 野村四郎 鞍馬の大天狗が、威容を現した。 観世銕之丞 みずから鋭い技を繰り出し、秘伝を余すところなく牛若丸に伝授する。 友枝喜久夫 大天狗は牛若丸に、来たる平家一門との合戦で影のようにつき従い、支えになると約束した。 狩野丹秀 名残惜しくも牛若丸に別れを告げて、夕闇迫る鞍馬山の木々の梢に翔けて、消えていく。 梅津忠弘 牛若丸が大天狗について修行したという、鞍馬の奥山。 [一時停止中。画像クリックで再開します]
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写真:森田拾史郎
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