大原を出て諸国に融通念仏を広めて歩く良忍上人が、大和国の
上人は再び所の者に、三山のいわれや公成・桂子・桜子の物語を聞き、弔いを行います。すると、耳成山の風に吹き誘われて桜子が現れ、桂子の祟りを払ってくれるよう上人に頼みます。続いて桂子が現れ、桜子への恨みを語ると、
「三山」は飛鳥の里にある三つの名山を舞台とし、男女の恋物語を下地とした曲です。『万葉集』の世界をもとにしていますが、三山のうち香久山を男として、残りの二山を女として見立てるのはこの能独自の捉え方であり、特有のドラマ性が立ち現れています。
桂子が行う
本曲は江戸中期以降、宝生流が持続的に演目として取り入れ、金剛流は昭和に入ってから編入しました。観世流のものは1985(昭和60)年に復曲されたものが現行曲となっています。
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